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参考資料

生物多様性はなぜ分かりにくいか?

-「生物多様性は分かりにくい。」

日々関係者の皆様とお話をする中で、感じていらっしゃることです。

かくいう弊社も生物多様性を事業のテーマにしていますが、生物多様性は何かと日々模索を続けています。環境DNAのトピックスとは離れますが…

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バイオインサイトのミッション:「生物多様性を分かりやすく」

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生物多様性は、今社会があたりまえのように享受しているものです。ですので、具体化していない問題を考えるのは難しく、必要性についても感じにくいかもしれません。

 

しかし、生物多様性に関する問題は既に顕在化しています。例えば、食料問題は私たちの社会で顕在化しやすい問題の一つです。例えば、水産関係では個体数が減少し、食べることができなくなった魚の例があります。これは生物多様性の個体数に関係する側面です。その他、イナゴ類の大発生により農作物が国を跨いで大規模な食害になったというニュースがありました。これは特定の種が生態系のバランスを超えて増えてしまった結果です。また、私たちの食料生産はポリネーターと言われる花粉を運ぶ鳥や昆虫等に依存しており、この生き物が失われていると農産物生産が大きく落ち込みます。特に野菜類や果物が虫媒花として多く知られています。

 

もう一つの分かりにくいとされる理由は、生物多様性が生態系という大きなシステムの中で、私たちが具体的にその影響を知り認知できる範囲が極々限られているということです。そしてたとえ誰かが何かのマイナスの影響を与えたとしても連鎖的にタイムラグを置いて時間的・空間的に遠いところで影響が出るために自覚しにくいという側面があります。生物も文句を言いません。後者の例として、外来種を野外に放してしまい、多くの在来種を捕食した、または交配が進んだ等で在来種が絶滅してしまうことが考えられます。

 

しかし、残念ながらこれまでの人類の歴史の中で、この問題に対して上手く対処した事例は少ないように思えます。乱獲等により生物多様性が低くなってしまった地域では食料生産が不安定になり、多くの文明が衰退に向かいました。例えば古代ローマ帝国、古代メソポタミア文明、古代インカ帝国等が挙げられます。生物多様性の問題の解決は長期的に見れば人類の発展をもたらすものの、短期的には人類の生存や発展と対立を生みやすく簡単にはこれまでの方法を止められないという根本的な構造があるのかもしれません。

 

これらを第一印象で端的に表現すると生物多様性は「分かりにくい」されるのではないか思います。バイオインサイトは歴史上解決が難しかった生物多様性に関係する問題を解決に向かわせるにはこの「分かりにくい」を「分かる」に変えることが第一歩であると考えました。

 

「具体化していないように見える問題を分かるようにする」

「生態系への影響について知ることができる範囲を増やし、分かるようにする」

「遠いところで影響が出ているその影響を分かるようにする」

「生物は文句を言わないが、言葉以外のメッセージを分かるようにする」

「短期的にも人間活動と対立しないことを生物多様性への取り組みとビジネスを両立させることで分かるようにする」

 

これらの視点でバイオインサイトは事業活動に取り組み、未来に私たちを含めた生き物全てが生活できる場を残します。