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参考資料

弊社が提供するDNA種判別試験

DNA分析とは、すべての生物が共通して持つDNAの塩基配列を読み取ることにより、個体、地域集団、種などさまざまなレベルにおける生物の違いを明かにする方法です。本試験では、生物種の判別にフォーカスをしてDNA分析を行います。試験手法の概要は以下のとおりです。

① 試料よりDNAを抽出します。

DNAは腐敗や紫外線、高温など様々な外的ストレス等によって分解しやすいため出来るだけ新鮮で原材料に近い検体が望ましいです。DNAの分解が一定程度進んでいたり、そもそも抽出自体が難しい試料の場合は試料毎に試験工程を工夫して行います。

 

② 抽出したDNAのうち、当該生物種の種判別に最適な遺伝子領域をPCRにより増幅します。

生物種によりどの遺伝子領域が最適か異なるため、複数の遺伝子領域の結果を判別に使用する場合もあります(追加料金が必要になります)。生物種の絞り込みが可能な場合には事前にお伝え頂くことにより、追加の試験工程の発生を回避することができます。

 

③ DNAシーケンサーにより試料の塩基配列を読み取ります。

 

④ 生物種別の塩基配列が登録されている公共のデータベースと試料から得られた塩基配列を比較し、最も近いと評価できる生物種を報告します。

データベースとの一致率が低い場合や、同程度の一致率で複数の生物種が存在し、優劣をつけることが難しい場合は「種レベル」ではなく「属」レベルでの判断を行います。②の工程に戻り他の遺伝子領域で判別が可能になるかどうかを試みる場合もあります。なお、データベースとの一致率は概ね97%超を基準とし総合的に判断しています。

 

(よくあるご質問)

Q1 試料はどの程度の量が必要ですか?また、少量でも試験は可能ですか?

A1 目安として10g程度をお願いしています。実際に使用するのはごく少量になりますが、試料の状態(①ご参照)によっては何度か試験を繰り返すことがありうるため、試料の状態によっては追加でお願いする場合もございます。10g程度のご準備が難しい場合は、予めご連絡をお願いします。また、実験目的との関係で多めの試料を頂き、均一に粉砕するなどのケースもあります。

 

Q2 複数の生物が混じった試料でも可能ですか?

A2 本試験は単一の生物種を判別するためになりますので、基本的には複数の生物種が混合した試料では判別を行うことができません。但し、混入の程度がごく少量と予想される場合は、問題ないケースがあります。一方で、複数の生物種を同時に判別する場合は、DNAメタバーコーディングを用いた手法等を用います。ご判断に迷われる場合にはお気軽にご相談ください。

 

Q3 判別が出来なかった場合は、費用は発生しますか?

A3 弊社はDNA抽出(場合によりPCR工程)までは無料で診断させて頂き、次の工程に移行可能な場合に結果の内容に関わらず規定の費用をご請求させて頂きます。これにより試験目的の達成が明らかに困難な場合に費用が発生するリスクを回避することができます。(なお、DNA抽出に成功した場合でも、100%結果を保証するものではございません)

ただし、無料で診断させて頂ける数には上限があり、また試験続行に問題がない場合に、ご依頼者様都合により試験を中断されることはできるだけお控え頂く様、ご協力をお願い致します。

 

 

以上